第87回 昔から言うではないか


 さて、ギボンによるとローマ帝国は双子によって建国されたことになっておる。この双子は狼によって育てられた。名前をカマラとアマラという。捕獲というか保護されたときにはまるっきり狼だったそうだ。教育によって、なんとか言葉を覚えたそうであるが、しかしほとんど名詞どまりだったそうだ。要するに、「ごはんが食べたい」とは言えず、「ごはん」とか「カツカレー」とか「チキンカレー」とか「エビフライカレー」とか、「野菜カレー」とか、「コロッケカレー」とかしか言えなかったらしい。私ならそれだけカレーが喰えれば、うひょうひょであるが。
 ちなみにあまり知られていないことであるが、シャム王国だって双子によって建国されたのである。名前はパガランヤとパガールという。この双子はもちろんシャム双生児であった。彼らもやはり狼に育てられた。保護され教育を受けたがはたして名詞しか覚えなかったそうだ。しかもたったひとことだけ。「双生児カレー」。
 なぜ私が執拗にカレーに執着するのか疑問に思われる方もおられよう。おまえは辛さにこだわるジャワ原人なのか、と思われるかたもいらっしゃろう。あにはからんや、ただカレーが大好きなだけなのである。三度の飯よりも好きなのだ。
 ところで、このシャムの双生児であるがどちらが兄であるかお解りだろうか。パガランヤである。昔からいうではないか、「兄パガランヤ」と。
 さてさて、ビートルズに「ぼくはセイウチ」という名曲がある。私はこの曲にヒントを得て「ぼくはアシカ」という曲を作ってみた。歌詞は以下の通りである。
「ぼくも彼も君もみんな一緒くた。おなじようなものさ。何故ならぼくたちはアシカなんだから。ぼくの名前を知ってるかい。尊氏っていうんだよ。これがほんとのアシカが尊氏、イルカは蘇我よ。(コーラス:馬子もソガ、ソガッ。オイオイオイッ)」
 うちのバンドで演ろうとしたのだが、メンバーの猛反対に遭ってお蔵入りしてしまった。名曲だと思うのに。
 そういえばイギリスに古くから伝わる諺に「イルカが物部氏でないのと同様に、馬は物部氏ではない」というのがあったと記憶する。
 さてさてさて、私は出不精である。食事すら面倒臭くって宅配ピザを頼むこともしばしばである。願わくはカレーの宅配のあらまほしきことである。便利な世の中になったものであり、最近ではカタログ販売というものがあり大抵のものはそれで事足りる。それで、一冊カタログを取り寄せることにした。ところが届いたカタログを見て吃驚した。どういうことだ。何故だか、フィリピンの名産品ばかりが書かれているのだ。しかも私には読めぬ異国の文字で書いてある。しばらく考えたらようやくその理由が理解できた。昔から言うではないか、「タガログショッピング」と。
 さてさてさてさて、昨今は差別語とか差別表現などということについて喧しい世相となっているようである。黒人差別などは、堺市に在住のとある親子によって徹底的に糾弾されたりしておる。「ちび黒サンボ」が絶版に追いやられたり、カルピスのトレードマークがなくなったりしておる。
 以前にこんな小説を考えた。時は大正時代の日本。エログロナンセンスなどという頽廃的雰囲気が充満している。そこへ何故かマイケル・ジャクソンがタイムスリップしてしまうのだ。彼は猿のバブルス君と共にバットマン・カーに乗り大暴れする。まあ、そういうハチャメチャSFである。ウェブにでもアップしようかと思ったが、この世相では無理と断念した。ちなみにタイトルは「色黒ナンセンス」である。
 さてさてさてさてさて、今度アメリカで「兎と亀」が映画化されるらしい。あの「何をおっしゃる兎さん」でおなじみの「兎と亀」である。なんと、これが実写でやるとのこと。驚くべきことにシルベスタ・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーという筋肉俳優の共演である。で、どちらが兎で亀なのかはまだ決定しておらぬようであるが、私の予想するところスタローンが兎である。これはもう間違いない。だって昔からいうではないか、「昼寝したスタローン」と。


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1998/03/28
文責:keith中村
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