第43回 本当に吃驚するのか印度人


 やあ、よいこのみんな。元気に痙攣してるかい。さあ。みんなで眼をまわせまわせえっ。
 こらこら。なんてことを書くんだ。って、俺だ。
 やってくれるな、ポケモン。テレビという凋落したメディアの、それでも腐っても鯛というところの底力を見せつけてくれた事件である。そういや、いつぞや「ポケモン連続殺人事件」などと書いたが、これじゃ「ポケモン大量殺人未遂事件」だ。予知能力でも発現したか、俺よ。
 犯人は「ピカチュー」というやつであるらしい。おじさんは、おじさんだから昔のテクノバンドの「ヒカシュー」を連想しちゃった。最近いろんなところで目にするあのリスみたいな生き物がピカチューだったんだ。やっとわかった。おじさんはまた、ナウシカの肩に乗ってたやつがなんで今頃流行っているのだ、などと思っていたのだよ。おじさんだからね。おじさんにはやっぱりこのピカチューなる輩が、あのナウシカのキツネリスに見えてしまうのだ。あれは何て名前だったかな。ユパ、だったっけ。おじさん、忘れちゃったよ。
 このピカチューちうやつは、得意技が電気をびこびこと発することらしいので、今回の事件はまさに面目躍如加賀千代女というところ。
 それにしても三百人が入院というのは尋常ではない。子女の親御さんたちも泡を喰ったことだろう。子供たちも泡を喰ったけど。病院に担ぎこまれた中には二十三歳の奴もいたそうで、なんとも感慨深いものがある。青年よ、そんなことでいいのか。
 とまあ、世間は大変だったようだが、俺のほうも大変だった。昨日帰ってきたらサーバーにしているマシンがハードディスクのアクセスランプを点灯させたままハングしていたのだ。
 このマシンはうちの中からインターネットへのルータにしているのだが、それがぶっとんだのだ。またこのマシンはタイムサーバーとして他のマシンに正確な時刻を供給しているのだが、ネットワーク内のマッキントッシュは三台とも「タイムサーバに接続できません」のダイヤログを出しているし。いちいちそんなことでメッセージ出すなよな。
 サーバにしていたのは恥ずかしながら95を積んでいるマシンなのだが、再起動してみるとレジストリがぶっこわれていますなどという恐ろしげなメッセージを出してセーフモードで立ち上がる。いちおう、バックアップのレジストリ喰わせて、ノーマルに起動させることができたのだが、なぜか非常に遅い。マウスがのろのろとしか動かない。アイコンをクリックしてから反応が帰ってくるまでに何十秒も待たされる。なんやかやで久しぶりに徹夜してしまった。取り敢えず旧に復することはできたのだが。
 そんなことはどうでもいい。問題はカレーなのだ。俺はカレーが好きだ。とっても好きだ。三度の飯より好きだ。カレー大好きよ。きゃああ。
 さて、そんな俺が今いちばん必要と感じているのはカレーの辛さ指数の標準化である。二倍カレーやら五倍カレーやら二十倍カレーやらというものが世間には存在するが、あの数字はいったい何を根拠にしているのであろう。なんらかの指標、メルクマークというものがあるのか。現在の状況は、それぞれの店が勝手放題に適当な数字をいっているのに過ぎないのではないか。ある店の三倍カレーが、別の店の五倍カレーより辛いということだって当然ありえる。何のための数字なのだ。数字を使うからには正確に定量化しなければならぬ筈ではないか。それが科学というものだ。カレーをもっと科学しろ。みんなでカレーの未来を考えるのだ。たとえば印度人に喰わせて汗を一筋出せば一倍、二筋で二倍とか。そういったあれだよ。な。
 だのに、ぜんたい、この混乱状態はどうしたことか。
 原因が政治にあることは一目瞭然である。社会が悪いのだ。だいたい、古今の為政者たちを考えるがよい。彼らが国家を統一したとき、真っ先に何をやったか。度量衡の統一である。始皇帝然り、太閤然りである。どうしてカレーの辛さは統一されていないのだ。統一できるきっかけは何度かあったはずなのだ。明治維新、GHQ占領下での新憲法発布時、メートル法施行時、あるいは橋本内閣誕生時。どうしてこんな重要なことを誰もしなかった。それとももしや、標準化を妨げる闇の存在でもあるのか。
 考察してみよう。闇の団体があるとして、それは何だ。
 ユダヤ。ガラムマサラの流通を実は一手に押さえていたりして。違うな。
 マジェスティック・ツウェルヴあるいはメン・イン・ブラック。カレーを体内に埋めこまれたりしない限りは彼らはでてこないだろう。あるいは宇宙カレーとかでもないかぎりは。宇宙カレーってなんだよ。思いつきで書くんじゃない。
 フリーメイスン。イギリス人はあまりカレーを喰いそうにないから、違うか。
 ニャントロ星人。よくわからんが違うように思う。
 エルバッキー。ただの猫だ。
 西条秀樹。辛さにこだわるジャワ原人だ。そんな悪事は働かないだろう。走る正直者でもあるし。
 つまり闇の団体など存在しないのだ。ということは、辛さ尺度の非統一は歴史の怠慢でしかない。
 俺は切に望む。誰か、カレーの辛度の定量化標準化に着手してくれ。たのむ。お願いよ。きゃああ。
 誰もしなきゃ、俺がするぞ、各地のカレー屋さんを巡礼して。
「む、これは三.四五倍。なのに、五倍と表示してある。異端。異端であるぞ。改宗せよ。さもなくば火焙りじゃ」って、異端審問官じゃないっての。
 とまあ、ここまで書いたところで知友より連絡があり、話していたのだが、こやつも昨日ハードディスクをぶっとばしたのだそうだ。なんという偶然。いや、偶然ではないのか。やはりピカチューのせいなのか。それともニャントロ星人か。はっ、も、もしやヒデキ。ヒデキなのか。あな、おそろしや恐ろしや。いやいや。そんなことよりも。実はこの知友、俺の真似をしてダメな戯言ページをやっておるのだが、なにより怖いのはそのページとネタがかぶってんじゃねえのか、ということだったりして。
 どきどき。


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1997/12/18
文責:keith中村
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